品川にある優良美容外科で注射リフトブログ:19-03-22
「今日の午後ご飯、何がいい?」
ミーは父に尋ねた。
「テキが食べたいのぅ」
テキというのはビーフステーキのことだ。
昔はビフテキと言っていた。
父はそれをさらに短くテキと呼んでいたのだ。
魚釣りが趣味の85歳の父だから、
焼き魚とか、煮物とかを想像していた。
「ビフテキかぁ、うふふふ」
ミーは意表を突かれて、笑いがこみ上げてきた。
父は入院していた。しかも末期癌。
身体中には特有の疼痛を抱え、
痛み止めも欠かせなかった。
根治することはもはや不可能で、
治療はもっぱら痛みをとることと、
延命を秤にかけるような綱渡り状態だった。
体力的にも
ある種の小康状態でいられる最後の段階だろうと言う。
主治医と相談して
思い切って自宅へみっか間の外泊を決めた。
その1日目に食べたいと言ったのがビフテキだった。
上等の牛肉を張り込んで2枚買ってきた。
満足そうに食べる父の顔を見ていると、
思い切って帰ってよかったと心から思った。
そして、自宅療養最後の日…
父が自宅で過ごす最後かもしれないという
厳しい現実には気づかぬふりをして、
ミーは尋ねた。
「今日は、何食べる?」
「お惣菜屋のコロッケがええのう。
アレならゴミも出んし、片付けもいらんしなぁ」
自宅で最後になるかもしれない食事に選んだのが、
お惣菜屋のコロッケ…
疼痛にいつ襲われるかわからない父を
車で2時間かけて
病院まで送り届けなければならないという大仕事を控えている
女の子を思う父の選択だった。
父は最期までミーを思い、気遣い、
父としてミーを甘やかしてくれるというのだった。
ミーはこみ上げてくる何かをこらえるのに
これほど苦労したことはなかった。
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